AGA治療を開始し、一定期間が経過しても期待したほどの効果が得られない場合や、効果が頭打ちになったと感じる場合、治療薬の変更や追加を検討するタイミングが訪れることがあります。このような判断は自己判断で行うのではなく、必ず担当医と相談の上で進めることが重要です。まず、治療薬の変更や追加を検討する一般的な目安としては、現在の治療法を最低でも六ヶ月から一年程度継続しても、満足のいく改善が見られない場合が挙げられます。例えば、フィナステリド単剤で治療を開始し、抜け毛の抑制効果は感じられるものの、発毛効果が乏しいと感じる場合、ミノキシジル外用薬の併用や、より強力なDHT抑制効果を持つデュタステリドへの変更などが検討されることがあります。また、ミノキシジル外用薬だけでは効果が不十分な場合に、フィナステリドやデュタステリドの内服を追加することも考えられます。さらに、これらの基本的な治療法に加えて、より積極的な発毛を促すために、ミノキシジル内服薬（日本では未承認ですが、医師の判断のもと処方されることがあります）や、頭皮に直接成長因子などを注入するメソセラピー、HARG療法といった治療法を追加することも選択肢の一つです。薬の変更や追加を行う際には、それぞれの薬剤の特性、期待できる効果、起こりうる副作用などを医師から十分に説明を受け、理解した上で決定することが大切です。また、新しい治療法を開始した後は、その効果や副作用の発現について、より注意深く経過を観察する必要があります。AGA治療は画一的なものではなく、個々の状態や希望に応じて、オーダーメイドで治療計画を調整していくことが可能です。定期的な診察を通じて医師と密にコミュニケーションを取り、最適な治療法を見つけていくことが、AGA治療成功の鍵となります。